「でもさ、その辺は副会長どうにかしてくれるんじゃね」

「……藤堂がさ、仕事しながら教えたいって」



そりゃ、生徒会室じゃなきゃダメか…。
それにしても風紀委員長はホントに大和に注意したんだ。そこから恋が芽生えたりするんじゃね?と、邪な考えを思い浮かべてテストの事を忘れかけていると、大和が声をあげた。



「あ!おーい二又ー!」



大和に呼ばれた会計は笑みを浮かべながら此方にやって来た。
なんだか嫌な予感がする気がする。



「なぁ二又。俺と和哉に勉強教えてくれよ」

「大和はいいけど…」



悪い予感は見事に的中。ジト目で見てくるんじゃねぇよ会計。
まるで、『お前は要らねーからぁ!』と聞こえてくるようだ。
そもそも、失礼ながら会計が頭良さそうには見えない。



「平凡」

「な、なんすか」

「今回は仕方なく教えるんだからな。勘違いすんな、お前のためじゃないぞ」

「はぁ…」



なんだろう、そのツンデレみたいなセリフ。
ふん、と鼻を鳴らした会計が大和の腕を引いていく。
「じゃー、図書館行くか!」
大和が腕を引かれながら言った。

"図書館"とは言い間違いなどない。本当に校舎とは別の建物で"図書館"があるのだ。
流石金持ち高校だね、金のかけ方が違うよね。

そんなことを深々と考えていれば、二人においていかれていることに気付く。俺は慌てて追いかけた。








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