思わぬ差別に、俺は項垂れる。
流石王道学園。美形は優遇されるんですね…。

顎に手を当てると、風紀委員長は喋りだした。



「…大和とは、出雲大和の事だな?」



俺が頷けば、委員長は怪しげに笑った。「出雲大和には俺から直々に注意しておこう」くつくつ喉で笑うものだから、俺は大和の安否が少しだけ心配になった。

風紀室からやっと出た俺は、教室へ向かう。
…今後同じことをすれば、更にパワーアップした苦情が風紀委員会に殺到するだろう。委員長の疲れきった顔が容易に想像できた。委員長に迷惑はかけたくない。
俺は生徒会室には極力近づかないと心に決めた。

教室に戻ってくれば、皆が皆楽しげに雑談していた。



「あ、石橋ー」

「…あ」



爽やかが爽やかに手招きをしている。
俺はなんだろう、と爽やかに近づく。すると、爽やかは嫌らしく笑った。先程までの溢れでる爽やかさはどこに行ったんだ…。



「素直に来ちゃうのな。最近俺の事好きになって来たんじゃね?」



爽やかはニヤニヤしながらそんな事を言い出した。いや、爽やかじゃない。只の変態だ。



「冗談も休み休み言えよ」



爽やかの前に座っていた不良が話しに入ってくる。
居たんだ、とか思ってないぞ。



「何で阿部が入ってくるんだよー」



唇を尖らせながら不良に突っかかる爽やか。なにこれ萌える。
うざったそうに不良はあしらっていたが、やっぱり仲が良かったんだなぁと俺はほのぼのした。








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