「いいよ!!俺は間接チューなんて小さいもん狙わねぇから!いつかガッツリ濃厚なキスしてやるからな!」



立ち上がった爽やかは俺を指差しながら謎の捨て台詞を吐いて食堂を颯爽と走り去っていった。ぽかん、と俺は爽やかの背中を眺める。
会長が笑っているのか悶えているのか、踞って震えているのがチラッと見えて少しムカついた。



「……日比谷って、平凡のこと?」

「…つい最近までは大和にべったりでしたよね…」



会計と副会長がぼんやりと呟く。なんだ、その意外そうな顔は。爽やか趣味悪いなぁ、とでも言いたげな顔だ。まぁ、実際悪いと俺は思う。
やっと落ち着いたのか、会長はスッキリとした顔で笑顔を浮かべていた。やっぱり腹立つ。
大和、書記、不良は全く喋らなくなってしまい、かなり怖い。
生徒会役員専用席に、何やら変な空気が流れる。
気まずいことこの上ない俺は、カレーのトレイを持って席を立った。



「えーと…、大和。俺先戻っとくわ」



大和に一応一言残して、俺は専用席を離れた。
生徒会の雰囲気が伝染したのか、食堂全体もなんだか静かだった。


廊下をゆったりと歩いて行く。昼休みだからか、少し騒がしい。



「止まれ」



誰かの声に反応して俺は振り向いた。








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テーマ「人外ファンタジー」
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