かなり重大な事実(会長が腐男子)を俺はアホ面で耳に入れる。
別に、腐男子な事は構わない。
しかし、何故それを俺にカミングアウトしたのかが疑問だ。
平凡受けなら俺だって好きだが、そんな事をわざわざ俺に言う必要はない気がした。
「お前は美少年総受けが好きだろ」
「なっ、!なんでわかるんですか!」
「お前の様子を見てればわかるだろ。生徒会役員が大和に夢中なのが嬉しくてしょうがない、て顔してたからな」
言い返す言葉もございません。
多分、会長は俺がニヤニヤと大和の取り巻き集団を眺めているところを見ていたのだろう。
まあ、あんな惚けた顔をしていれば同志ならば直ぐにわかるが。
「………で、会長さま」
「あ?」
不愉快そうな顔を浮かべるものだから、俺は一歩下がる。
「…結局、何が言いたいんですか」
俺は五年分位の勇気を振り絞り、会長に言葉をかけた。
会長は、待ってました、と言わんばかりの笑顔を浮かべる。
…なんか、嫌な予感が。
「俺は今までの通り、俺様生徒会長として大和にアピールを続けて、お前の萌えになってやる」
「はぁ、?」
「その代わり、お前は生徒会役員でも爽やかでも不良でもなんでもいいから美形と絡め。そして俺の萌えになれ」
はい…………?
言っている意味は大体わかるのに、何故か体が拒否を示す。
因みに、俺は正真正銘のノンケであって、バイでも、ましてやホモでもない。
そんな俺が、美形男子と絡む…?
想像しただけで、身体中に鳥肌がたった。
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