副会長のお手伝いを自主的に行い始めて二時間、俺はずっと書類に判子を押し続けている。
生徒会って大変なんだな、と思いながら、判子をリズミカルに押した。
「…貴方、会長に何の用があったんですか」
「え?えーと…」
そういえばそんな言い訳でこの部屋に侵入したんだった。
実際会長に用なんて一つもないし、俺から会長に会いに行くなんて滅多にないため、副会長の質問に答えられそうもない。
何も言えない俺を見た副会長は、何かに気づいたのかふぅ、と息を吐き出した。
「告白ですか」
「えっ!?」
「貴方も他と同じで会長がお好きなのですね。会長は大和を慕っているのだから実るはずも無いのに」
俺を哀れむように、副会長は勘違いしたまま喋り続けた。
いやいやいや、告白とか、あり得ないでしょ。だって、会長は大和とくっつくべきだもん。もし仮に、俺が会長を好きでも、すっぱり諦めて大和とイチャイチャする様を眺めるもん。
まぁ、そんな事を副会長に言うわけにはいかないので、俺は頭を振った。
「違いますよ。違います」
「…まぁ、どうでもいいですよ。貴方の恋愛事情なんて」
あ、この人俺の話聞いてない。
副会長は俺が会長を好きだとすっかり信じて疑わなくなった。
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