中に入れば、山積みにされた書類と、埋もれるように作業をする副会長。
これは…。



「だ、大丈夫ですか…」

「!あなた何故ここに…、一般生徒は立ち入り禁止ですよ!」

「いや、あの、会長に呼ばれたんで…」



咄嗟に言い訳をすれば、副会長は眉根を寄せた。美形の凄む顔は数倍凶悪だと思う。
副会長は長い長いため息を吐いた。



「会長は今出ています。から、早く出ていってください」

「……」



どうしよう、早速追い出されそうだ。
どうにか留まるため、俺は声を上げた。



「あの!て、手伝います」

「まだ居たんですか?別に手伝いなど必要無いです。寧ろ邪魔です」

「っ…」



やっぱり辛辣だな、副会長。

少しばかり傷ついた俺は眉を下げた。副会長はそれに気づいたのか、ばつが悪そうな顔をした。
副会長はまたも大きいため息をつき、俺に紙をなん束か渡した。



「…これを全部判子押してくれればいいですから」

「!はい!」



副会長は案外優しいのかもしれない。








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