取り敢えず、生徒会室の前まで来た俺は立ち尽くしていた。
副会長の仕事を邪魔したくないが、会長の萌えにならなければいけない。
俺はどうするべきなんだろう。
考えあぐねて、挙げ句の果てにはぐるぐる動き回っていた。



「…何してんだお前」

「うお!」



いきなり現れた不良に声をかけられた。俺の不審すぎる行動を見ていたのか、怪訝そうな顔だ。
見られたとか恥ずかしい。



「…生徒会にようでもあんのか」



生徒会室の扉を一瞥、機嫌が悪いのか、眉間に深い皺を寄せた不良に凄まれた。いつかケーキをくれた時とは大違いだ。
なんでキレてるのかよくわからなくて答えないでいれば、不良は盛大な舌打ちを鳴らした。
なんでこんなに不機嫌なの…?



「言えないような事なのかよ」

「ちが…、ちょっと副会長に用事が…」



俺の言葉に、不良は更に顔を歪めた。
今度は小さい舌打ちを鳴らして、不良は立ち去って行った。
…なんだったんだろう。

兎に角、生徒会室に入らなければ始まらない!
俺は意を決して扉に手をかけた。








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