「石橋、副会長とかどうだ」
「…一応聞きますけど何がですか」
部活などやっていない俺は真っ直ぐ寮へ帰る。部屋に入れば当然のように会長がいて、仕事はどうしたんだという気持ちで一杯になった。
長い足を組みながら喋る姿は様になっていて、安物であろうソファーが高級感溢れるものに見える。
「決まってるだろ?次に落とす相手だよ」
「ですよねー」
まぁわかってたけどさ。
副会長か…腹黒の彼に俺は近づく事が出来るのだろうか。嫌みを言われて終わりのような…。
あぐねる俺に、会長は笑顔で言った。
「大丈夫、お前なら出来る」
そんな自信満々の笑顔で言われてしまったら、出来る気がしてきてしまうじゃないか。
会長によると、副会長は生徒会室で仕事中とのことだ。
行ってもいいのか?絶対邪魔になるよな、俺。
仕事の邪魔をするのは気が引ける。むしろ嫌だ。
しかし会長は大丈夫の一点張り。それどころか、手伝えばいいとか言い出した。
俺に何が出来るってんだよ!
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