会計に対する不躾な呼び名に少し笑いそうになりつつ、俺がその精力の餌食になることはないんだろうなぁ、と思う。生徒会メンバーで一番俺を嫌っている気がするし。
心の中でそんな事を考えていれば、爽やかくんの顔が近いことに気がつく。鼻が当たりそうだ。



「わかってんの?」

「わ、わかってるよ、てか近…!」

「わかってないよ」



え、えー。
俺の言葉を全面的に否定した爽やかの手が、怪しい動きを繰り返す。



「ほら、こうゆうことされるかもよ、」

「ちょ、どこ触っ!」

「あーでも、会計に無理矢理快楽を植え付けられてる石橋いいな…腰にくる。でも誰にも触らせたくねぇなぁ、でも、」

「…………」



何を怖い事を言っているんだ、コイツは。
いつのまにか止まっていた手をいいことに、俺は爽やかくんから距離をとる。
そして駆け出した。



「あ!石橋!」

「うわ!なんで追いぶっ!」



後ろから追いかけてくる爽やかに気をとられていたら、誰かにぶつかってしまった。無様に尻餅をつく俺、相手はよろめきすらしなかったようだ。
なんだろう、すごく恥ずかしい。



「す、すみませ、げっ!」

「てめえ何ぶつかっ、て…」








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