大和と会長を二人で追いかけること数分後、やっと二人に追い付いた。
少し離れた場所で二人を覗く。
書記が、「…二人、近づかない?」と聞いてきたので、近づかない。と返した。
俺は書記と手を繋ぎっぱなしなのも忘れて、二人の観察に耽った。
会長が大和の腕を引く。嫌がる大和、近づく顔――!



「やぁめろぉぉぉ!!」



回りに響く、地響き。

大和が、会長を背負い投げた。

背中を強く打ち付けたようで、かなり痛そうな様子だ。
書記と共に会長へ駆け寄れば、大和は驚いたように目を大きくさせた。



「か、和哉…なんで…てか花家と手…」



おろおろと大和が狼狽えている間に回復したのか、会長が素早く立ち上がった。
表情は何時もとは違い、怪しい笑い方。



「大和…お前本当に…」



気まずそうに目をさ迷わせた大和が、会長の手を引いて駆けていった。
なんなんだ、あの二人。
疑問符だらけの頭を回転させていたら、書記に手を引かれた。
そういえば繋ぎっぱなしだったと今さら思い出す。



「二人、変」

「そうですねぇ…」



二人が去って行った廊下を眺めながら呟いた。








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テーマ「人外ファンタジー」
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