いきなりのことに、三人でぽかんとしていたら、会長が慌てたように大和の背中を追いかけていった。愛だなぁと束の間の幸せを感じつつ、書記は大和を追いかけに行かないのか、と顔を見上げる。
早く行かないと会長にとられてしまうぞ。



「なに…?」

「え、いや、大和のこと追いかけなくていいのかなぁって…」

「…なんで?」



なんで、って。大和のこと、好きじゃ無いのかよ。
本気でわかってないのか、書記は男前な顔をキョトンとさせて首を傾げた。天然か何かなのか?
…まぁ、いいや。とりあえず俺は二人を追いかけて、二人の絡みを見てやろう。
書記に一礼をしてから、俺は二人を追いかけた。



「あ、ま、って!」

「!?」



ぐ、と襟を引っ張られる。首が締まって、「ぐえ」と声が出た。
後ろを見れば、書記が忙しく目を泳がせていた。若干涙目にも見れる。



「お、俺、行く」

「大和を追いかけに?」



こくり、と書記は頷いた。なんだか可愛い。
早速歩き始める俺の手を握った書記は、やけに満足そうな顔をしていた。








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