さて、会計の居場所は何処だろう、とあぐねる。
食堂にいないなら、生徒会室だろうか。
ここから生徒会室は遠いので面倒だから行きたくないが、ついでだし会長に文句言ってやろう。
俺は行き先を生徒会室に絞りこんだ。




いつ見ても豪華だ。
生徒会室の扉を見上げて思う。細かく彫られた模様は幻想的で、金がかかってそうだと思った。



「失礼します」



2、3回ドア叩いて中を覗く。中も豪華だ。
目がチカチカするのに耐えながら中を見渡せば、会長、大和、書記がいた。
肝心の会計が居ないことに落胆しつつ、会長に向かって歩き出す。一際目立つ机に向かって書類とにらめっこしていた会長の前に立った。俺に気づいたのか、眉間に皺を寄せたまま会長は顔を上げた。



「よう、石橋」

「こんにちは。…会長」



俺が机に手をおいて、会長に顔を近づける。一瞬目を見張った会長だったが、すぐにいつもと変わらぬ笑みに変わった。
俺は極力小さい声で喋る。大和と書記に聞かれないためだ。



「俺、会計苦手なんですけど」

「ほう」

「…少しは労ってほしいんですが」



俺がじっとりとした眼差しを送れば、会長の口角が更に上がった。



「わかってる。頑張ったらご褒美をやるよ」

「………」



なんだか、会長に飼われている気分になった。








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