風紀委員長の言った通り、チワワ共に絡まれる事は無くなった。
寧ろ避けられる。
俺を見ると、可愛らしい顔を歪め、尻尾を巻いて逃げていった。
ここまで露骨な避け方をされると、少し心が痛む気がする。本当に少しだけど。

と、委員長のお陰ですっかり平和な日々を取り戻したわけだが、つい先日、会長から伝言があった。
寮の部屋に、手紙が置いてあったのだ。



『石橋へ

俺の親衛隊が迷惑かけたようだな。すまない。
紀伊(風紀委員長)に助けてもらったそうだが、恋は芽生えそうか?芽生えたのならすぐに報告しろよ。
で、本題だが、チャラ男×平凡のカップリングが見たい。至急だ。出来れば会計と絡めよ。
では期待している。

宝来 慎之介より』



俺が風紀委員長の名前を知らないだろうと、括弧書きしている所に優しさを感じつつ、会計の初コンタクトを思い出した。ある意味トラウマになりつつあるざっくばらんな物言いは、俺の気持ちを後退させていく。
出来れば関わりたくない。
しかし、至急と書いている位なのだから、相当見たいのが伺えた。
………。



「…絶対、大和にいっぱい絡んでもらおう…」



俺は腹を括るのだった。








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