俺が、会長になんだって?
委員長は、何故か眉根を寄せながら俺に近づいた。
なんか怖くて思わず後退る。



「宝来の犬共が言っていたぞ。会長さまをたらしこむお前に制裁がなんたらってな、」



犬共とは、親衛隊のことだろう。
俺は冷や汗が滲む手を握りしめ、彼の言葉に耳を傾けた。



「犬共の行動には目に余るものがあった。少し懲らしめたが……まさかお前が宝来と関係を持っているとはな……」



チワワ達の怪我の犯人は貴方か。
未だにぶつぶつと喋っている委員長を不審に思っていれば、彼はニヤリと口を歪めた。嫌な予感がするぞ。



「来い。話がある」



引かれる腕、ポカンとしている爽やかくん。
俺、どうなるわけ。











ついたのは、風紀委員会が使っている教室だった。広々としていて、高そうなソファーがある。
やっと俺の腕を離した委員長は、ニヤリと妖しい笑みを浮かべたまま話し出した。



「石橋和哉。お前に朗報だ」



朗報?
俺は首を傾げる。
そんな俺を気にする様子もなく、委員長は続けた。



「犬共にはお前に近づけないようにしておいた。これで制裁という下らないものに巻き込まれる心配もない」

「は、はぁ…」



何故そこまでしてくれるんだろう、と思いつつ俺は「ありがとうございます」と言っておいた。
満足気に頷いた委員長は、また喋りだす。



「そして、これは質問だ」

「はい…」

「お前は、本当に宝来をたらしこんでいるのか?」

「それは無いです」



何で俺があの人をたらしこむ必要があるんだ。
俺が即答したのを、委員長は不思議そうに見る。



「では、何故犬共が騒ぐ。火の無い所に煙は立たないぞ」

「それは……」



俺と、会長には契約があるから。
…とは言えないよなぁ、うん。俺は暫く間を持たせ、口を開いた。



「…俺が、会長と友達だから…です」



ありきたりな言い訳だが、間違っちゃいない。腐男子で、萌えを与えあう仲なのだから、十分友達だ。俺はそう思う。
委員長は不服そうな顔をしながらも、「そうか」と呟いた。








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