会長の親衛隊に連行されそうになった次の日、何かしらアクションをかけてくるだろうと思っていたが、俺の予想なんて簡単に裏切られた。
何もされてない下駄箱、上履き、机。逆に不気味だ。



「何も無くて良かったのな」



爽やかーな笑顔で、爽やかくんはそう言うと俺の肩を抱いた。
うん、まぁ、何もないのは良いことだよな。爽やかくんの腕から逃れながらそう思った。

にしても、先ほどから怪我をしているチワワ属性をたくさん見るのだが、どういうわけだ。
俺同様、それに気付いたであろう爽やかくんも首を傾げている。
ふと、前に目をやれば、会長の親衛隊隊長がいた。
可愛らしい顔は傷だらけで台無しだ。他のチワワに比べて、傷が酷い気がする。
隊長は、俺の顔を見た瞬間、その顔をこれでもか、と言うくらい歪め、走って逃げてしまった。
あれ、俺のせい?



「石橋和哉」

「………?」



フルネームを呼ばれてしまい、俺はゆっくりと振り向いた。爽やかくんも俺と同じく振り向いた。
そこには、犬嫌いの彼が立っていた。
久しぶりに見た顔に、俺は「あぁ、」と声をもらす。確か彼は、風紀委員長だ。



「お前、生徒会の宝来をたらしこんでいるらしいな」

「…へ?」








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