クラスで断トツ顔のいい二人がいる。
それは"爽やか"と"一匹狼不良"(名前は知らない)。
そいつらは例に漏れず大和に虜のようで、今もなにやら大和を巡って対立している。
凄む不良を爽やかは笑顔でかわしていた。
そんな光景は、まさに眼福。



「テメェなに見てんだ平凡!!」



ニヤニヤと事の成り行きを見守っていたら、いきなりこちらに目を向けた不良は声を荒げた。いきなりの事に俺はまごついてしまった。
まごまごしてしまう俺が気に食わないのか、忌々しそうに舌打ち。不良恐い。思わずこの間の会計を思い出した。



「はぁ…スミマセン」

「やめろよ阿部!和哉怖がってんだろ!」



プンプンと怒る大和に、不良はしょぼんと頭を垂れた。まるで叱られた犬のようだ。そんな失礼な感想を頭の中で浮かべながら、俺は大和に向き直る。



「大丈夫、大和。俺は平気だから怒んないで」

「和哉…」



俺なんかに構わなくていいから二人とイチャイチャしててくれ、というニュアンスを含めつつそう言えば、大和は困ったように笑い、いつもとは考え付かないほど小さい声を溢した。俺にははっきり聞き取れなかったけれど。



「…そんなに優しくしないでよ、我慢できない」








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