三人並んで歩く。右から、間野、俺、友人上林の順。我ながら変な組み合わせだと思う。
あのあと、結局間野と一緒に帰ることになり、何故か友人上林も混ぜて三人で帰る形になった。
間野と上林は面識が無いので、俺が二人に話をふらなければならないのだが、如何せんそんな話術を心得ていない。
どうしようか、と内心焦りながら考えていると、不意に上林が大きい声を上げた。



「あ!俺、寄るとこあるんだった!じ、じゃあそういう事だから!」



不自然なまでに大声を上げながら上林は、そのままきた道を早足で戻っていった。
そういう事ってどういう事だ。上林の背中を呆れながら眺めていると、いきなり間野に肩を抱かれた。香水か何かの甘い匂いがする。



「な、なに?」

「あいつとヨシナガくんって友達?」

「え、うん…」



あいつとは、恐らく上林の事だろう。上林は友達というよりは、腐れ縁と言った方が正しいだろう。いちいち説明するのも億劫なので頷いておいた。
ふーん、と間野は口を尖らせて、何か不満そうに見える。
俺はとりあえず距離をとるべく反対側に動くが、肩を抱く力が強くなるだけだった。



「ねぇねぇヨシナガくんは俺とダチだよね?」

「えっ!?」



さっきのあれは、その場しのぎの言い訳じゃなかったのか…?
俺の頬に自らの頬を擦り付けながら間野は言う。ち、近いとかじゃなくて密着してるじゃないかこれじゃ。こいつは俺が男だって知っててやってるんだから質が悪い。



「ねぇねぇ、ダチだよね、ダチじゃねーならキスするぞ」



え、脅し?








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