午後は午前よりも幾らかな楽な気分で授業を受ける事ができた。
そんな午後も無事終わり、今は放課後だ。俺が帰りの準備をしていると、隣の席がちょっとした人集りになっていた。
大きな声で喋る女子と間野の会話が嫌でも耳に入ってきた。



「ねぇしょーたろー、一緒に帰ろ?」

「あ、うちもぉ」



間延びしていて、まるで媚びるような声を聞きながら俺は席を離れる。
間野はいつもああいった女子に誘われているのか。イケメンも大変だな。
所詮他人ごと、俺は待たせてる友人の元へ向かった。



「あ、ヨシナガくん!!」

「!!」



びくりと肩が震える。後ろを見れば、先ほどまで座りながら女子と喋っていた間野が、立ち上がって俺を見据えていた。
間野の声につられて俺の顔を見た女子は、怪訝そうな表情をしている。



「ねぇしょーたろー。誰あれ」

「友達。ねぇ一緒にかえろーよ」



まとわりついた女子を振り払うように間野は俺の目の前にやって来た。
てか、友達って。俺の事か?いや、あり得ないだろ。
俺は女子の目が怖すぎるので、間野の言葉に返事が返せなかった。



「ちょっとぉ、うちらと帰るんじゃないの!?」

「そうだよぉ!てかこれが翔太郎の友達とか、冗談でしょ?」



笑いと怒りが入り交じったような声。俺はこれ扱いか。思わず苦笑いを溢す。
間野は険しい顔をして女子を無理やり離させた。



「オレがヨシナガくんと友達じゃ悪いの?オレお前等と帰る気ねーから」



唖然とした表情の女子をおいて、間野は俺の背中を押した。
まさか、庇ってくれたとか、?いや、気のせいだ。きっと気のせい。








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テーマ「人外ファンタジー」
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