次の日、薬が効いたのかすっかり体調も良くなった。
1日ぶりの制服に身を包み、俺は元気よく家を飛び出した。
教室に入れば、勢いよく安孫子が飛び出してきた。
「もう学校来ていいのかよ?」
「うん、心配してくれてありがとな」
安孫子は恥ずかしそうに頭をかいた。続いてやって来た間野に挨拶をした。「昨日はありがとうな、ゼリーうまかった」間野は嬉しそうに笑う。
しかし、安孫子の様子がおかしいのに気がついた。
「お前…早々帰っていったと思ったら見舞い行ってたのかよ!」
「タクミが風邪だって言うんだから当たり前じゃん」
ふふん、と間野が得意気な顔で鼻を鳴らす。安孫子は眉間に皺を寄せて間野の頭を叩いた。
「し、心配してくれるだけで嬉しいから」
俺がフォローのつもりで言えば、安孫子は俺の頭をかき回した。
「…見舞い行けなくてゴメン。早く治って良かったな」
安孫子が格好よく微笑む。胸が高鳴ったのを感じて、自分ってこういう奴だったかな、となんだか調子が狂った。
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