俺と安孫子が目をむく。
凛太郎は苦々しい顔をしたまま、また話し始めた。



「…兄貴、その女のせいで少し窶れちゃった気がしてー。一応兄貴だから心配でぇ…」



眉尻を下げた凛太郎が嘆息を漏らした。

白鳥さんのあれは、嘘だったのか。
俺は驚愕で声が出ない。それと同時に、自分の不甲斐なさに落胆した。

俺は、友達も信用できない。

ガタタン、と音を立てて、立ち上がった。弾かれたように走り出す。安孫子が何かを言っているような気がした。



間野がいそうなところを、走って探し回った。

(いない…)

間野に、謝りたい。
間野は、俺と白鳥さんの会話知らないのだから、間野にとってはとても意味の分からない謝罪だろう。

けれど、自己満足でいいから謝りたい。

もしも白鳥さんの言った通り、間野が俺をどうとも思っていなくても、やっぱり俺にとっては、大切な、友達なんだ。



見覚えのある背中を見つけて、俺の胸が高鳴った。
走ったことにより、早い鼓動が更に早くなる。
閉まった咽を無理やり開いて、俺は大声を上げた。



「翔太郎!!」








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