「レンさぁ、最近サボんないよね」
三人で昼食をとっていたら、唐突にそんな事を間野は言い出した。
紙パックのお茶を飲んでいた安孫子は、眉を寄せて間野を睨む。何故睨んだかは見当もつかなかった。
「前は全然出なかったくせにぃ」
ニヤニヤと間野はいやらしい笑みを浮かべる。
確かに、前は全くと言っていいほど見かけなかった安孫子だが、最近は毎日見かける。
なんだろう、単位でも気にし始めたのだろうか。
「っるせーな関係ねーだろ、……お前こそ女共との関係切ってるらしいな」
「それこそレンに関係ありませーん」
軽口を叩きあう二人を眺めつつ、俺は魚焼き定食を頬張る。
すると、間野はちらりと俺に見るとため息を吐いた。
「オレはレンと違って本気なの!」
「あ゙?ふざけんなよてめえ、俺だって、!」
そう、安孫子は何かを言いかけて、ちらりと俺を見た。
何なんだ二人とも。
「本気だよ」
やけに真剣な声が周りに響いた。初めて聞いた声に、俺は思わず食べる手を止めてしまう。
一方間野は方眉を上げて「ふぅん」とまるで小馬鹿にしたような顔で安孫子を見ていた。
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