「タクミの浮気ものぉ〜」



俺が安孫子にお菓子を渡す場面を、静かに見守っていた間野は、膨れっ面をして俺を腕の中におさめた。なんだこの状況、と思いながら少し高い位置にある膨れっ面を見上げる。
俺と目が合えば、間野は更に怖い顔になった。整っているぶん、かなり凶悪な面構えに見える。



「レンばっか構うなしぃ。俺寂しいー」



若干棒読みなセリフをはきつつ、間野は俺の頭に頬擦りを繰り返す。髪がぐちゃぐちゃになる感覚を覚えながら、俺は安孫子に救出してくれ、という視線を投げ掛けた。
しかし、安孫子はこちらに目を向けることもなく、なんとも弛んだ表情で俺があげたお菓子を眺めていた。
そんなに喜んでもらえるとは思っていなかった俺は、それを見て思わず頬が弛くなる。
その時、間野が一際強い力で俺の体を抱いた。圧迫感に耐えきれず、俺は再び間野を見上げた。



「し、翔太郎くん、いたいんだけど」

「そんな目で見ても、離さないから」



意味がわかんないよ、翔太郎くん。








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