クラスに一人はいる、人気者なチャラ男。素行も悪いし格好も、まぁ学校的には好ましくない。
俺はなんとかしてこの人物との関わりを避けたかった。
理由は一つだ。

怖いから。

俺はそいつ、間野翔太郎と関わり、馬鹿にされるのがやたらと恐ろしいのだ。



痛いところには触れないのが一番なので、デリケートすぎる俺のチキンハートを守るため、間野に接触しないように過ごして早くも5ヶ月。順調と思ったのもつかの間、世の中はそううまく出来ていないらしい。

それは席替えの日だった。年甲斐もなく妙に浮かれた俺は、教師の作った簡単なくじをひく。
うるさい心臓を押さえつけ、場所を確認した。
そこは窓際の一番端という、かなりいい席だった。俺は心の中でガッツポーズを決めて、そこの席に座る。そして隣の席は誰だろう、なんて物思いに耽っていた。
今考えると、こんなに浮かれていた自分がひどく憎い。
隣の席についた人物、間野翔太郎を見て俺の思考回路は暫くフリーズした。普通、隣は女子だろう、と。
担任に目を向けるが、男子が二人並んで座ってる様を見ても特に何も言わなかった。クソ、つっこむところだろ!「なんで男同士で隣なんだ!」って!
心の中でいくら担任に抗議しても、俺はテレパシーなんて超次元な特技はないので伝わらない。
あわあわする俺を他所に、間野は何を思ったか俺に目を向けた。思わず俺も見つめ返してしまう。野郎が二人で見つめ会うという不思議な空間ができてしまった。



「…てか、誰?」



間野の言葉に俺は驚く。5ヶ月も同じ教室にいた人物の言葉とは思えなかった。








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