幼稚園から小中と一緒に過ごしてきた幼なじみがいる。
家が隣どうしで、親どうしがバカみたいに仲良かったから、俺らが打ち解けるのは当たり前だったのかもしれない。
そんな俺らはスクスク育ち、立派な中3になった。
幼なじみはすっかり整った面してて、普通真っ只中な俺は少なからず劣等感を抱いていた。



「志望校どこにした?」

「S高。近いし、今んとこ入れそうだから」



問いかけてきた本人を一瞥し、漫画に視線を落としながら答えた。この漫画、なかなか面白い。



「ふーん…じゃあ俺もそこにしよう」

「は?」



思わず漫画を手から滑り落とす。
幼なじみに目を向ければ、俺と同じように漫画を読んでいた。



「マジで言ってんのかよ。お前ならもっとスゲーとこ行けんじゃん…M高とか」



幼なじみは頭がよかった。それこそ、本気出せば学年一位なんて簡単に取っちゃうような。
そんな奴が、俺と同じとこに行くなんて。親と先生が黙っちゃいないと思う。
幼なじみは漫画を音を立てて閉じると、綺麗に笑顔を浮かべてこちらを向いた。



「いいよ、そんなとこいかなくて。俺はお前と一緒ならどこでもいいよ」



お前…それ男の俺に言う言葉かよ。
思わず苦笑いをこぼすと、幼なじみはいつも以上に綺麗な微笑みを浮かべた。



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もちろん同じ高校に進学しました








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