ホモをあんまりよく思っていない受け
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"くぅーん"なんて言って甘えるテレビの中の犬に俺の頬が緩んだ。正直猫派だけど、見るだけなら犬も可愛い。テレビに向かってニヤニヤニヤニヤしていれば、突然訪れた腰辺りの衝撃に俺は低い声を漏らした。



「テレビ、やだ。かまって」

「……お前なぁ、」



俺よりも数倍精悍な顔でそんなこと言われても、はぁ?って感じだ。
俺を見上げる切れ長な瞳は、何処と無くテレビの中の犬みたい。

たぶん、俺が犬より猫派なのはこいつが大きな要因だと思う。
こいつが犬みたいだから、俺は犬があまり好きじゃなくなる。つまり、俺はあんまりこいつが好けないのだ。だってなんかホモっぽいだもん。



「くっつくなよ、漫画でも読んどけ」

「やだ」



やだって、顔と合わないな。
俺はため息をついて、仕方なく、本当に仕方なく頭を撫でてやる。するとこいつは俺の腰に埋めていた顔を勢いよく上げて、キラキラとした瞳で俺の手に頭を擦り付けた。
やっぱり犬みたいだ。
少し可愛いかも、とか思っている俺はどんどん毒されているのかもしれない。



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たぶんこの二人は付き合う








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テーマ「人外ファンタジー」
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