「遅くなってすみません、!」



はぁ、はぁ、と息をあげながら走ってきたのは、光平くんのお父さんだ。
彼はシングルファザーらしく、いつも会社帰りに光平くんを迎えに来る。
時間もバラバラで、不定期だから光平くんは寂しいんじゃないかな、と思ったが、案外飄々としていた。今も、俺と一緒に作っていた積み木に夢中でお父さんの方に目も向けない。



「いつも、遅くまですみません。今日は残業になってしまって…」




光平くんのお父さんが綺麗な顔を歪めながら俺に頭を下げる。俺は必死に頭を振った。「いえいえ!大丈夫ですよ、これくらい。それより、光平くんに寂しい思いをさせないであげてくださいね」俺は笑顔で言う。
光平くんのお父さんは顔をあげるとにっこり微笑んだ。同僚の彼女たちが騒ぐのも納得の爽やかさだ。



「あの、先生、今度一緒に食事でも、」

「先生〜!もっと遊ぼー!」



光平くんがお父さんの言葉を遮り、俺の服を引っ張った。お父さん譲りなのか、幼いながらも整った顔をしている気がする。
「光平くん、パパが迎えに来たから、もう遊べないよ」俺が目線を合わせながら言えば、光平くんはえぇー、と不服そうな声を上げた。膨れっ面が可愛くて、つい頭を撫でた。
そこで、お父さんの事を思い出す。先ほど何を言おうとしたのか聞いてみたが、彼は苦笑いをするのみだった。



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続き書きたいかも!








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