「いらっしゃいませ」



来客を知らせる音楽がなり、俺は声を上げた。
時間が時間なだけに、人は少なくコンビニ内は俺とその客しかいない。
客を一瞥。
ミルクティーみたいな色した髪を、ワックスやらスプレーやらで固めているのか頭がかなりでかい。加えてうっすら茶色い肌はそこだけ完全に夏の装いだ。

所謂ギャル男。

俺が苦手とする人種だ。
だれにだって合わない人物の二人や一人いるだろう。それが俺はギャル男と不良とチャラ男だった。奴らと触れあって、良いことなんてあるのかと問いたくなる。

ギャル男は、適当に食品やら菓子類を入れたカゴをレジに置いた。俺はそれらを精算していく。無事終わり、金額を口にした。中々代金を出さないので、ちらりと顔をみる。さっきは遠くてよく見えなかったが、かなり綺麗な顔立ちをしていた。



「……お客様?」

「ねえあんたこの後ヒマ?」



カウンターに置いていた手を、ギャル男は握ってきた。手の熱い体温が俺に伝わってくるような不思議な感覚を覚えた。
って、そうじゃない。なんで俺はギャル男にこんな事されているんだ。



「あ、の困ります、お客様…」

「やっぱヒマじゃない系だった?」



この人は、人の話を聞いていたのか。苦笑いがこぼれ、俺は手を引っ込めようと試みる。掴まれる力は更に強くなった。



「あ、これ。俺のメアドだから」



レシート裏にサラサラと書き初め、俺にそれを握らせた。
ギャル男は代金をぴったり払ってそのまま出ていく。
手にこもった熱に、俺は戸惑いを隠せなかった。



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山田はギャル男とチャラ男が好きみたいです
書きやすい!








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