あの日俺がポッキーなんかを持っていったばっかりに、と数日前の自分を本気で恨んだ。
あれからと言うもの、俺は皆から腫れ物扱いだ。噂じゃ俺は不良の恋人やら愛人やら好き勝手に言われている。もちろん全部でたらめだが。
でたらめだとしても、そんな噂いい気がするわけ無い。否、すっごく嫌だ。
しかし、俺のそんな数々の主張も、不良の一つの行いに全て潰されてしまう。
俺はこの愛人だと思われながら生活しなくてはならないのだろうか。そんなのは嫌だ!
俺が悶々としていれば、誰かに声をかけられた。



「ちょっと一緒に来い」



厳つい顔をさらに凶悪にさせた不良だった。

不良の顔が怖すぎて断れなかった俺は大人しく不良についていく。広い背中は羨ましいとか以前に怖すぎた。
少しすれば、この学校で一番の告白スポットについた。なんだか嫌な予感がする俺は、逃げ出す体勢をとっていた。



「なぁ、お前は噂をどう思う?」



俺に背中を向けたままで不良は俺に問いかけた。噂って、俺が不良の愛人とかってやつしかないよな。もしかして、不良も迷惑していたとか?あのキスは実は罰ゲームとか?
俺はその薄い可能性に光を見いだした。
なにも言わない俺をどう思ったのか、不良はこちらに振り向いた。顔が茹で蛸見たいに真っ赤だ。



「俺は、噂通り恋人になりたい」



俺は目を点にする。それは、紛れもない愛の告白だ。俺が意味を理解する前に、不良は俺の身体をガッチリと抱き締めた。真っ赤だけど男前な顔が近くて俺はまたキスされるんじゃ、とヒヤヒヤした。



「順番は間違えたけど、俺はお前が好きなんだ!」



そして、俺の唇に軽くキス。
もういっそ殺してくれ、と思った。



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このあと股間蹴って逃げ出します。その後もアタックは続く…








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