「なぁ聞いてくれよー」



雑誌を読んでいた友人に話を聞いてもらおうと絡んだ。
友人は嫌そうな顔をしながらも雑誌を閉じながらこちらに綺麗な顔を向けた。

先日のバイトでの話だ。可愛らしい女性が入店してきたなぁ、と思っていたらガムを一つ持って俺が立っていたレジにやって来た。
テープでいいか、とかレシートはいるかたとか聞くたびに、女性ははにかむのだ。
もう、あんな彼女が欲しいよな、と盛り上がりながら話していれば、友人は鼻で笑った。



「なにそれ、あざといだけじゃん」

「はぁ!?超可愛かったんだぞ!?お前はモテるからわかんねーんだよ!」



俺が怒れば、友人もむっとしながら喋り出す。「そんなんだと変な女に捕まるよ」俺もむっ、として友人から顔をそむけた。まぁ、すぐ戻されたけど。
顎を掴まれて、無理矢理友人の方に向かせられた。俺はビックリして息を止めた。



「な、に」

「俺はお前が心配なんだよ」



真面目な顔で言われて、俺は顔が熱くなるのを感じた。友人は顔がいいからなんか妙に恥ずかしい。
俺が黙ったのを見て、友人はふっ、と笑った。



「なんて顔してんだよお前」

「なっ、」



俺は友人を押して離れた。「お前なんかもうしらねぇぇ!」友人の高らかな笑い声が聞こえた。



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然り気無く恋人作るの阻止








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