お兄ちゃんに彼女が出来たらしい。お兄ちゃんはイケメンだから、今まで出来なかった事の方が不思議だ。
まぁ、今お兄ちゃんとは喧嘩中だから僕には一切合切関係ない。
だけど、



「あっあっ、はぁ………」



彼女を部屋に連れ込んで毎日のように盛るのはやめて頂きたい。

今日も隣の部屋から女性の高い嬌声がはっきりと聞こえた。母さんがいないからって、こんなに堂々とおっ始めることないだろうに。
最近性に興味を持ち始めている僕としては、このような声はかなり刺激的だ。
主に股間が苦しい。かと言って、兄の彼女の声で抜くわけにもいかないから、僕はこの高ぶりが治まるまでベッドに潜っていた。



そんな日々が続いて、兄の彼女さんの声にも発情しなくなって来たころ、お兄ちゃんが僕の部屋に乗り込んできた。



「な、なにしに来たんだよ……」

「……」



なんか、お兄ちゃん…怒ってる…?
喧嘩をしたせいで最近全く喋っていなかったから、そう感じるのだろうか?でも、今のお兄ちゃんはこないだ喧嘩した時よりも険悪な顔をしている気がした。



「お兄ちゃ、」

「なんでお前は嫉妬してくれないんだよ」

「へ、」



お兄ちゃんは急に切なそうな顔になると、僕のお腹に顔を埋めた。
僕は少しおろおろしてしまった。だって、お兄ちゃんがこんな風になったのは初めてだったから。



「俺はお前に彼女が出来たら、とか考えるだけで辛いのに。お前は俺に彼女が出来たって無反応じゃあないか。それどころか、あの女の声で興奮するなんて許せない。俺は、今も昔もお前だけが好きなのに」

「お兄ちゃん…」



ぐすぐすと鼻を鳴らしながら、お兄ちゃんは沢山喋った。
お兄ちゃんは、泣いちゃうくらい僕が好きなんだな、と思った。
そしたらなんだか、胸が急に痛くなって、僕はお兄ちゃんの頭に腕を回した。



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ほだされるフラグ








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