「うげぇ」



放課後、帰宅部仲間の友人と共に帰ろうと駐輪場へ行けば、俺のチャリンコのタイヤがパンクしていた。
今朝は大丈夫だったのに、とか、どうやって帰るか、とかあぐねる俺に既にチャリに跨がった友人が声をかけてきた。



「どしたー?早く帰ろーぜ」



俺だって帰りたいのはやまやまなんだよ。
俺は息を吐きながら友人を見やった。



「なんかパンクしてる。これじゃ乗れねーよ」



俺が二度目の嘆息を漏らしていると、思案したような顔つきで友人が口を開いた。



「じゃあ後ろ乗ってけよ」



俺はチャリから友人にへと視線を移す。その綺麗な顔は至って真面目だ。
俺は眉間にシワを寄せながら喋った。



「やだよ、そんな危ない」

「えー、じゃあお前歩く?」



ぐっ、と言葉につまる。

学校から家まではかなりの距離がある。
歩くなんてそれこそとんでもない!しかし、このパンクしたチャリに無理矢理乗ったとしても、歩くのと変わらない疲労を味わうだろう。

悶々と考えた結果、俺は荷台に跨がった。




友人はスイスイ自転車をこいでいく。後ろに俺がいるにも関わらず、かなり安定していた。



「落ちんなよー」

「そっちこそ落とすなよ」



荷台部分をしっかり握りしめながら返せば、先程までの安定感は何処へやら、ぐらぐらと蛇行していく。俺は反射的に友人の腰に掴まった。



「っぶねぇなぁ、おい…!」

「そうそう、ちゃんと俺に掴まっとけ」



満足気に友人は笑った。



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男の子の二人乗りにときめきます。青春ですね








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