「それどうしたん?」



俺が握っているポッキーの箱を指差した友人が言う。
俺はくわえていたポッキーを食べながら返事をした。



「家にあったから持ってきた」

「へー」



友人は俺のポッキーに早速興味を失ったのか、違う友人の元へ行ってしまった。
一人でポッキーを食らうのは少し寂しいが、ポッキーが上手いから気にしない。

ポッキーに舌鼓を打っていると、クラス内がにわかにざわつき始めた。なんだなんだ?と教室を見渡すと、何時もならこの時間にいないはずの不良が教室内に入っていた。
こんな早い時間に何故お前が、とクラス全体が思っている事だろう。派手系の女子以外はすっかり萎縮してしまっている。
俺はポッキーをくわえたまま不良から目をそらした。いくらイケメンでも不良は怖い。

(早くどっか行かないかな)

机の上のポッキーの箱を眺めながら考えていれば、誰かに襟を引っ張られた。



「!?」



強制的に上を向かせられ、俺はその人、不良と目があった。
切れ長な涼しげな目元に、俺はくわえているポッキーを落としかける。何故こんな状況になってるのかわからず、俺は目を泳がす事しか出来ない。
暫し辺りの音が聞こえないほど緊迫した雰囲気が漂っていたが、不良がとった行動によりクラス全体が一気に騒がしくなった。

俺がくわえていたポッキーの反対側をくわえ始めたのだ。

所謂、ポッキーゲームの形である。
え、なにこれ怖い。俺は逃げ出すために顔をずらそうとするが、不良のでかい手に押さえつけられ叶わなかった。不良はポッキーを食べ始め、ついには唇がくっついてしまいそうな位距離を詰められた。
焦った俺はポッキーから口を離すが、残ったポッキーごと唇を貪られた。くちゅくちゅと舌が絡む音が教室に響く。沢山のクラスメイトがいるなか、俺は男にファーストキスを奪われたのだった。



-------------------

いつもより支離滅裂な文になった気がする








「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -