包帯とギブスで固定された足を見て、俺はため息を吐いた。

階段を踏み外すなんてついていない。

慣れない松葉杖のせいで、脇が酷く痛いし、またため息を吐いた。



「大丈夫?辛くない?」



俺の荷物を持った友人が、その綺麗な顔を歪めて俺に問いかける。俺は友人を安心させるため笑顔を作った。



「大丈夫だよ。それよりごめんな、鞄。重いだろ?」

「ううん!そんなことないよ!重くないし、藤の役に立てて嬉しいから…」



はにかむ友人に俺は、じーん、と感動をした。友人は顔だけじゃなくて心も綺麗なんだな。真っ白で透明で、濁りなんて全くない。
そんな事をしみじみ考えていたら、不意に誰かが俺を呼んだ。



「藤ぃー」

「おー、どした?」



そこにいたのは、たまに喋るクラスメイトだった。
俺は基本的にこの心も顔もイケメンなこいつと一緒に行動を共にしているため、他との関わりがかなり浅い。
そのため、友人と呼べるのはこのイケメン位だろう。
あ、でもこのクラスメイトとは他の全く喋らない奴よりは親しいから、友達と呼んでもなんら問題はない気がする。



「これ、忘れもん」

「お〜、ありがとな」



クラスメイトに渡されたプリントに目を落とす。
…確か宿題だった数学のプリントだ。
これはすごい助かった。もう一度礼を述べれば、クラスメイトは笑いながら来た道を戻っていった。
友人に"帰ろう"と声をかけるためそちらを見れば、先ほどまで浮かべていた笑顔など全く感じさせない無表情が目に映った。思わず言葉をつまらせる。



「あいつと、仲良いの?」



友人の静かで低い声が響く。俺は思わず後退りをするが、折れた方の足がうまく機能してくれない。俺は無様に転んだ。
その体勢のまま、友人を見上げる。



「転んじゃったね、大丈夫?」



差し出された手、それを掴む事さえ出来そうになかった。



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半端な終わり方すみません(>_<)
ヤンデレ?みたいなのです。実は怪我も彼の仕業だったら山田は興奮を隠しきれません。








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