学年随一の不良に僕はいじめられていた。
今は呼び出されてパシリにされている程度だけど、そのうち殴られたりするかもしれなくて、僕はいつも怯えて生活していた。

そして今日もパシリ。
最近は友達と一緒にお昼が食べられなくて少し切ない。



「よう、遅かったな」

「ご、ごめんなさい…」



僕はすっかり萎縮しながら喋る。対照的に、彼は威圧感をたっぷり醸し出しながら椅子に座っていた。
ある程度の距離を保ちつつ彼からお金を受け取り、僕は彼のお昼を買いに行く。待たせたら怒られるかもしれないから、僕は走って購買に向かった。


息も絶え絶えに購買へ行けば、パンはほとんど無くなっていた。僕は絶望しながら、残っていたパンを幾つか買い、とぼとぼ彼の元へもどった。



「遅かったな、なんかあったのか?」



僕が戻ってきたら、彼は素早い動作で近づいてきた。驚きで一歩後退り、彼を見上げる。
体格の良い彼の身長は僕なんかをゆうに越え、見上げなければ顎しか視界に入らない。



「な、なにもないです…」

「そうか…」



彼はふう、と息を吐き、彼が僕の頭を撫でた。何故こんな事をされているのかわからなくてポカンとしてしまう。



「お前、自分の飯持って来たんだろ?」

「あ、はい…」

「ん、じゃあ食うか」



僕が買ってきたパンをひったくり、彼は床に腰を下ろした。そして、すぐ横を手で叩く。多分、横に来いって事なんだろう。
俺は少し間をあけて、恐る恐る腰を落とした。直ぐに彼に距離を詰められた。



「弁当か?」

「は、はい。い、一応僕の手作りです…」



なんて、どうでもいい情報も交えつつ返事をすれば、彼の目がカッと開いた。ビクン、と僕の肩がゆれる。だって凄く怖かったから。
思わず涙目になっていると、彼が僕の前にパンをつきだした。



「交換しろ」



やっぱり余り物じゃあ気に入らなかったんだな、と、明日はもっと早く購買に行こうと決意するのだった。



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弁当作れる男子とか理想的ですね








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