男四人で旅行に行くことになった。
とてつもなく暑苦しい旅行になると思うだろ?安心してくれ。

俺以外は全員イケメンだから。


先輩が運転する車に、俺が助手席、後の二人が後ろという感じで乗りこんだ。
因みにメンバーは、先輩の加賀美さん、後輩の三重、同級生の野口、そして俺の四人だ。
ふざけあう三重と野口を先輩は暴れんな、と怒鳴った。なんだか面白いなぁ、と俺は眺めるだけ眺め、後は寝てしまった。今日は早起きだったから仕方がない。



「起きろ、ついたぞ旅館」



肩を揺すられ、俺はうっすら目を開いた。先輩の格好良い顔がキラキラと光っている気がして目を細めた。



「おら、降りろ」



先輩に引っ張られ降りる。野口が俺の荷物を持っていた。



「ごめ、自分でもつ」

「ん?あぁ、いいよいいよ」



野口が笑いながら言う。流石元運動部、俺のでかい荷物と自分の荷物を持っていても全く平気そうだ。
しかし、やっぱり申し訳ないので、俺は野口から荷物を引ったくった。



「あーあ、野口さん嫌われた」

「黙れ三重」



野口が三重にげんこつを食らわした。
それを見た先輩が「二人は仲が良いな」とか言って俺の腕を引いていく。
今さらだが旅館はかなりでかかった。




部屋に通され、俺は荷物を端に置いた。その近くに他の三人も荷物を起き、一段落。
俺は畳に寝転がった。



「俺んち畳ないから新鮮〜」

「そうなんすか?」



俺の横に座った三重に言われ、頷く。へぇ、と三重は漏らした後俺の顔を覗きこんだ。



「じゃあ今度俺んち来てくださいよ、畳の部屋あるんで」

「んー、考えとく」



ゴロゴロ転がって三重から離れると、今度は先輩が近づいてきた。
なんだろう、と頭だけ捻って先輩を見上げた。



「なんすか?」

「風呂いこうぜ、露天風呂」

「おぉ!行きます行きます!」



すぐさま立ち上がり、鞄から下着とお風呂セットを取り出した。「浴衣ってありますかね?」先輩に聞けば、あるんじゃね?と曖昧な返答が返ってきて、まぁあるか、と俺は着替えは持たずに部屋を出た。

露天風呂は俺の予想は遥かに越える広さだった。そりゃもう、泳げると思うほどでかい。
おぉ、と歓喜の声を上げて俺はかけ湯を忘れずにした後風呂に飛び込んだ。因みにデリケートゾーンはタオルでちゃっかり隠している。



「おま、細っ」

「うっせい黙れやい!」



俺の上半身を見た野口が口に手を当てながら言った。
確かに俺は他のメンバーよりちょこっとだけひょろっこいけど、それは周りがムキムキ過ぎるのがいけないんだ。そう、俺は何も悪くない。



「しかも白いなぁ」

「触れんなマッチョ!センパーイ!野口がセクハラしてくるー!!」



野口から逃れるために先輩の方へ歩いていく。水の中は進み難く、俺はあっさり野口に捕まった。



「行くなよ〜」

「離せ!マッチョがうつるだろ!」



あ、でもうつって良いかも…。等と考えていたら、野口の指が俺の乳首を掠めた。「うひゃう!?」…変な声出た。
野口を睨み付ければ、奴は真っ赤な顔をしていた。
なんだよお前、と思わず呟けば、野口はさらに赤い顔で逃げていった。本当になんなんだ?
先輩と三重を見てみると、二人も赤かった。



「…どうしたんすか?」

「感度はばっちりか…」

「せんぱいマジ可愛いー…」



…なんか変な言葉聞こえた気がするけど、俺は気にしないで風呂から出た。



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後半に(たぶん)続く








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