最近タイミングが悪いのか、帰りはいつも満員電車で座ることが出来ない。部活で疲れた体にはかなりきついものがあった。

今日はいつもの数倍疲れていた。先輩にしごかれ、校庭を何十週もさせられたのだ。
ふらふらとホームに行けば、やはり人で溢れかえっていた。
その事にため息を吐いて、直ぐにやって来た電車へ滑りこむ。色々な人にぶつかり、揉まれ、二駅越えた頃には既に立ってられないほど憔悴していた。しかし、これだけ混雑していると座れるはずもなく、つり革にぶら下がるようにしてやっと立っていた。
電車が揺れるのと連動するように俺の体が揺れ、恐らく顔は土色だろう。



「あの、大丈夫ですか?」



俺がほとんど意識を飛ばしていると、目の前で座っていたサラリーマンに声をかけられた。清潔感溢れる見た目と甘いマスクがやけに眩しい気がした。
俺は返事も出来なくて、だけど強がって、大丈夫だと頷いた。



「席、どうぞ」



サラリーマンは席を立ってくれて、感動しながら俺は彼に謝った。彼は笑顔で対応してくれて、世の中はこんなにもいい人がいるんだなぁ、と思った。
弱々しい笑顔も添えて礼を言えば、彼はこれでもかというほどの綺麗な笑顔を見せてくれる。この人は神様なんじゃ無いかと本気で思った。


席を譲ってもらった次の日、その日は珍しく部活が休みになり、いつもより大幅に早い時間で帰れた。
ホームは混雑していなくて2日連続で座れるという奇跡を体験した。

更に次の日、いつも通り部活を終えて、満員電車に滑りこむ。
色んな人にぶつかったりしていたら、ふと、誰かに肩を叩かれた気がして振り向く。そこには一昨日のイケメンサラリーマンが笑顔で立っていた。
俺はなんとか彼に向き直り、俺はまたも礼を述べた。



「この間はありがとうございました」

「いえいえ、今日は大丈夫みたいですね」



思わずはにかんでいれば、電車が大きく揺れ、俺はサラリーマンの胸に顔を押し付けてしまった。
なんとか離れようと試みるが、全くもって離れられない。



「す、すみません…」

「大丈夫ですよ」



そう彼は笑った。
先ほどから腰辺りに当たってる固い物がやけに気になった。



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それはサラリーマンのナニですね
サラリーマンは前々から受けを狙ってたという感じなんですが、全く伝わりませんでした








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