顔立ちが綺麗な幼なじみ。小学校三年生頃には仲良く肩を組んだりして駄菓子屋に行くような仲だった。
小学校高学年になった頃、その幼なじみは転校をしてしまい、俺たちは離ればなれにになった。
最初の頃は文通なるものをしていたが、俺の方から段々返事を返さなくなった。

そして数年立ち、俺は高校生になった。
既に幼なじみだった彼の顔や名前すら思い出せなくなったのは少し寂しい気がする。
地元の徒歩で行ける高校へ進学し2ヶ月立った頃、一人転校生がやって来た。それがまたかなりの男前で、女子が活気づいていた。男子も男子で、そいつと友達になりたい的な奴がぞくぞく現れ、瞬く間に人気者になっていった。
俺といえば、そいつとはクラスが違うという理由で全く面識も無く、俺が個人的に顔をちょっとだけ知っている位だった。

そんなある日、廊下でその転校生とすれ違った。一度も近くで見た事なかったが、やっぱりイケメンだった。
転校生は珍しいことに一人でおり俺は思わず見つめていると、不自然な立ち止まり方をした転校生が俺の腕を掴んだ。
なんだなんだ、と俺は頭の中をはてなで埋めた。



「ねぇみっちゃんだよね?」

「え…」



"みっちゃん"とはずいぶん昔に呼ばれていたあだ名だ。引っ越してしまった幼なじみだけが唯一そう俺を呼んでいた。おそらく"道也"からとったのだろう。



「俺だよ、誠だよ」

「まーくん…?」



そうだ、俺は幼なじみを"まーくん"と呼んでいたんだ。
記憶が溢れ出す。小さい頃のまーくんが目の前の転校生と重なった。



「覚えててくれたの!」

「お、おう!」



ごめん、忘れてた。
「それにしてもよく気づいたな」俺が忘れていたと思わせないために話をかえる。まーくんはふふふ、とその綺麗な顔で笑った。



「気づかないはずないよ。だってずっとみっちゃんに会いたかったんだもん」



なんだか本当に申し訳ない。
俺は今の今までまーくんの存在がすっかり頭から抜けていたのに、まーくんは俺の事をずっと覚えていてくれたのだろう。



「今度からは一緒に居ようね!」



そう言うまーくんの言葉に、俺は素直に頷いた。



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ここから流されるように付き合いそうですよね








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