先ほどから真っ赤に染まった上品な顔を俺に近づけてくる、こいつ。

通称『王子』

そんな王子が、俺に対して監禁したいなんて法に触れてしまうレベルの告白をしてから早3日、またも俺は王子と二人っきりだ。
軽い貞操の危機だが、ここは彼の常識を信じよう。流石にマジで監禁したいなんて考えてはいないと思うし。



「今日、家に来ない?」

「ぅえ…?」



早速危ない香りが。
真っ赤な顔を一旦離した王子は、気を取り直すように咳払いを一つした。
そして、いつものプリンス的な笑顔で俺を見やる。女子ならば鼻血噴いて卒倒してるな。



「大丈夫、親いるから」



何が大丈夫なのか全く持ってわからないが、俺は「はあ、」とだけ返しておく。
なんだか女の子を家に呼ぼうと必死な中学生みたいだ。こういう事言っておきながら、いざ家に行くと親どころか誰もいないんだよな。なんて卑劣なテクニック。
俺は騙されないぞ。



「悪い、それは無理だわ」



お座なり程度の苦笑も添えて、そう言えば王子は傷付いたよう顔したあと、心底残念そうに頭を垂れた。なんだか可哀想な気さえしてくるのは、王子マジックかなんかだろうか。



「本当にダメ?」

「う、…」

「本当の本当にダメなの…?」



そんな、子犬みたいな顔で見ないで欲しい。
いつもみたいな、王子です!って感じの余裕の笑みはどうしたんだよ。なんで、そんなに切な気なんだよ!



「ね、お願い…」

「〜〜!わかったからその顔やめてくれ!」



と、俺は王子の子犬フェイスにまんまと騙されたのだった。



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監禁一歩手前!
この緩い雰囲気で監禁エピソード書ける気がしないです








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