ホワイトデーネタ
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先月、友人の瀬能に貰ったチョコレートはかなりいいものらしく、俺はお返しをしなくては、という気持ちに追われていた。
とりあえず、三木さんに渡すキャンディーは買った。瀬能の分も、貰った物と同等までとはいかないが、それなりに質のいいクッキーを買った。何か瀬能にいちゃもんをつけられたら必死で謝ろう。奴は性格がかなり良いので許してくれるだろう。
よし、これでホワイトデーはバッチリだ。
俺はそれらを鞄にしまいこむと、ベッドに潜りこみのび太もビックリなスピードで眠りに落ちた。
「はよー…」
「おぅ、!おはよう!」
朝でまだまだ眠いと言うのに、やけにテンションの高い瀬能に思わず苦笑いをこぼした。
顔も赤いし、体調でも悪いんだろうか。加えてソワソワと忙しない。
「どした、瀬能…なんかあるのか?」
「い、何もねーよ!」
「?そっか」
ガタンガタンと机にぶつかりながら瀬能は自分の席に戻っていった。いつも落ち着いているのに、珍しい。
思わず笑っていれば、瀬能にキツく睨まれた。
俺は素知らぬ顔で瀬能をかわし、自分も席についた。すると、隣の三木さんは笑顔で挨拶を言ってくれた。本当に良い子だ。
「おはよう、三木さん。…あ、これバレンタインのお返し」
鞄からキャンディーを取りだし渡せば、三木さんは笑顔で受け取ってくれた。
よし、後は瀬能だけだ。
昼休み、俺は瀬能にお返しを渡そうと、瀬能の姿を探した。が、どこにも居らず、結局昼休みが終了してしまった。
授業が始まる直前に帰ってきた瀬能をとっちめて見れば、バレンタインデーのお返しをしに回っていたらしい。律儀な男だ。
まぁ、渡すのは放課後でいいか。
そう思い、俺は午後の授業をそつなくこなしていった。
「帰ろうぜ」
鞄を手に持った瀬能の言葉に頷きながら俺は席を立つ。と、同時にお返しの存在を思い出した。
うっかり忘れるところだった。
俺は瀬能に制止を言い付け、鞄の中のクッキーを取り出した。
「はい、先月のお返し」
差しだした物を凝視した瀬能は、俺とクッキーを交互に見だした。
なにをしているんだ、と思いながら顔を覗けば、その端正な顔が茹で蛸のように真っ赤に染まった。
「み、見んな!」
べちん、と顔を押される。
何を照れているんだ、と思ったが、なんだか瀬能が嬉しそうに笑っているので気にしないことにした。
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お返しが嬉しすぎる攻め
ホワイトデーネタでした!
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