可愛い容姿をした子達(男)が右往左往する学食内。
どうやら今日は生徒会が来るらしく、何時もならざわざわ程度の学食が、今日はざわざわざわざわぐらいにうるさい。まぁ、可愛い子がチョロチョロ動き回る姿は癒されるのであまり気にしないが。
「!生徒会の皆様が来たよ!!」
キャーー!!
うん、今日も皆元気だ。
止まない歓声を全て受ける生徒会が少し羨ましい。俺も、彼等のように容姿が優れていたら、あのような可愛い子にもモテモテなのになぁ、とデザートのプリンを頬張った。
ここは所謂王道学園。ホモやらバイやらがやたらと多い学園だ。
因みに俺はノーマルなので、この学園では珍獣を見るような目で見られる。しかし、ノーマルな俺にもアブノーマルな事があった。
それは、
可愛い男の子が大好き。
って事だ。
可愛い女の子も好きだが、男の子は格別だ。あんなに可愛らしいのに、俺と同じものが付いているというギャップがたまらない。
これを友人に言えば、変態と罵られた。そんな事、自負してるぜ。
「なーにニヤニヤしてんの」
プリンも食べ終わり、可愛子ちゃん観察に勤しんでいたら声をかけられた。声の方を見れば、綺麗な顔があり目がチカチカした。
「別に、ニヤニヤなんてしてない」
「嘘つき、俺といてもクスリともしないクセにー」
んふ、と甘ったるい笑顔を浮かべたこいつは、俺の友人と呼べる人物だ。やけに綺麗な顔をしているので、親衛隊もち。可愛子ちゃんに慕われて、羨ましい限りである。
「あ、奏くんだ…!」
奏くんとは、生徒会会長親衛隊隊長で、俺が思うにこの学園で一番可愛い。
今日は奏くんが見れて幸せだ。緩む頬を手で隠しつつ俺は友人もそっちのけで、奏くんの事を食い入るように見た。麗し過ぎる。可愛い過ぎる。
「まぁた"奏くん"のこと見てるのー?」
俺の肩に頭を乗せながら友人は喋る。
近いしなんだかこそばゆいので、俺は肩を動かして友人をどかした。不服そうに声をあげた友人は無視をして、俺は再び奏くんを眺めた。
「…付き合いたいの?」
「は?」
「"奏くん"と」
「俺は別にそんな…」
嘘だ。ちょっと位付き合えたら、とか思ってるくせに。
そんな俺の気持ちを知ってるのか知らないのか、友人は俺に顔を近づけた。
「まあ、お前には無理だろうけどね」
「うっせー」
分かりきってる事をいちいち言うなよ。
そう思いながら睨み付けても、友人は笑うだけだった。
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あんな奴と付き合わせたりしないんだぜ!的な友人
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