今日も町は平和だ。
青い空は、まばらな雲で白く彩られている。

俺は警察官だ。何もかも平凡な青春を送ったが、人一倍に正義感が強かった。
そして、二年前にやっと夢である警察官になった。交番勤務もいたにつき、町の人とも仲良くなってきた。



「おい」



机に向かい雑務をこなしていたら、柄の悪そうな声が入り口から聞こえる。
俺が顔をあげれば、そこにはやっぱり柄の悪い高校生くらいの少年が立っていた。かなり男らしい顔つきだ。



「あ、どうしました?」



椅子から立ち上がり、慌てて近づく。俺よりも背が高い。最近の子は発育がよくてかなわないなぁとか頭の隅で考えた。



「カギ、落としたんだ。届いてねぇか?」

「カギ?あぁ…そういえば…」



さっきおじいさんがカギを拾ったと言って届けてくれたような。
そう思い、机の上に置いといたカギを手に取った。



「これかな?」

「おぉ、それだ、それ」



少年は嬉しかったのか、笑みを作ると俺の手からカギを受けとる。なんだか俺も嬉しくなり、笑顔を作った。

そして、両手に違和感。

視線をそこに合わせれば、大きい手が俺の手を握っていた。



「あ、あれ?まだ何かあった?」

「………」



苦笑いを浮かべながら問いかけても、彼は俺の顔を凝視したまま握る力を強くしただけだった。
ん?なんだこの妙な雰囲気。



「……お巡りさん、また来ます」



ポツリと呟いた彼は、そのまま踵を返して交番から出ていった。

出来れば交番のお世話にはなってほしくないんだけどな。

そんな事を考えて、俺はまた苦笑いをこぼした。



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パッと思い付いたネタ
不良の彼は警官である彼の笑顔にやられたんですね








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