兄貴の様子はいつも可笑しいが、今日は一際可笑しかった。何かあったのかと思って、同じ遺伝子が組み込まれているとは思えない、綺麗な顔を覗きこめば唇を奪われそうになった。
いつも通り気持ち悪い兄貴だった。心配して損した、と兄貴の頬に拳を埋めながら思う。
しかし、へこたれなかった兄貴が俺の腕を掴んだ。



「それが落ち込んでるお兄ちゃんに対する態度か!」

「それが落ち込んでる奴の態度かよ!」

「慰めてくれよー!」



兄貴は懲りずに俺の腹へ顔を埋めてグリグリ押し付ける。何なんだこいつ、と思いながらそんな兄貴を冷ややかに見ていれば、兄貴が突然顔をあげた。少しビックリしたことに悔しい気持ちになっていると、兄貴は何を思ったか俺の顔をまじまじと見つめる
気持ち悪いなぁと思いつつ俺は「何?」と問いかける。兄貴は三拍くらい置いて口を開いた。



「俺たちって、似てないなって」



まぁ、確かに兄貴の方が顔は整っているが、それは喧嘩を売っているととっても構わないのだろうか。俺が不機嫌な面になっているのにも気づかないのか、兄貴は続ける。



「実は兄弟じゃない」

「は?」

「とかだったら俺は嬉しいのにな」



なんで嬉しいか、なんてわかっていたけど、俺はあえてわからないふりをして兄貴の頭を叩いた。



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男同士な上に近親っていうシチュエーションが書きたかっただけです。内容なんて無いです








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