鳥の鳴き声で目が覚めた。
窓を見るとどうやらまだ日は昇っていないようだった。
二度寝してしまおうと目を瞑ったが、全然睡魔が現れなかったので結局起きた。

「……くぁぁ…」

大きい欠伸がでる。
部屋を出てひんやりする廊下を道なりに歩いていくと、居住空間から店舗へ続く入り口にたどり着いた。
なにも考えずにガラガラと扉を開ける。
店内は薄暗い。
駄菓子屋、とは名ばかりじゃないようだ。

(ちゃんと店はやってんだな)

変に感心しながら特に興味はないのでそのまま店舗の入り口へ向かい扉を開けた。
ガラガラと音を立てて普通に開いたことに少し驚いた。
現世では戸締まりするのが普通だと何かの話で盛り上がった際一護が言っていたのを聞いたことはあるが、それにしても不用心すぎやしないか。

「……確かに盗るもんはねェけどよ」

そんなことを呟きつつ、所詮は他人の店なので特に気にすることもなく出た。

朝特有の澄んだ空気が身体を包む。
鼻から勢いよく空気を吸い込んで、ゆっくりと口から吐く。

「ふぅ…」

グッ、と伸びをしてから散歩に出かけた。

「まぁ朝飯までに戻ればいいだろ」

今日は朝一で四番隊の隊士が救護係で入るから紹介したいと言っていた。
それまでに戻れば問題ないだろう、と思いながら歩を進めた。



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