瀞霊廷の復興もそれなりに進んでいたある日のこと。
十一番隊執務室は普段の静けさとは打って変わって騒々しかった。

「隊長が現世派遣!?ありえねェ!」
「仕方ないでしょ、ヴァストローデ級破面の出現が確認されてるんだから」
「だからってなんで隊長なんだよ!俺らでもいいだろうが!」
「隊長なら1人でパッと片付けられるからじゃないの?隊員を何人も出さなくて済むし、なにより隊長の戦いを邪魔しない」
「ぐっ…!現世派遣ってことは敵が出てくるまでひたすら待たなきゃなんねーだろ?…隊長が待てると思えねぇ…」
「……それは思うけどさ、総隊長命令なんだから仕方ないよ。それに憂さ晴らしも兼ねてじゃないの?」
「俺だって鬱憤溜まってんぞ!」
「隊長の鬱憤は一角と比較にならないでしょ」
「あぁ!?やんのかてめぇ!」
「そうやってすぐ腕力に物言わせようとする…君の強さは本物だし戦いぶりも美しいけど、そういう短気なところは正直醜いよ」
「上等だコラ!」
(なんで喧嘩してんだあいつら)

部下2人がギャーギャー騒いでるのを横目に見ながら、先刻まで行われていた隊首会をぼんやりと思い出していた。



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