とある日の朝。
黒崎一勇は阿散井苺花に誘われて尸魂界を訪れていた。
勿論、一護も同伴だ。
「あ、いちかちゃん!」
あっち!と袖を引きながら一勇が指さす先には、確かに親から濃く受け継いだ紅髪がこちらへ向かって全速力で駆けてくるのが見えた。
「一勇おそーい!あ、一護おじちゃんもいる!」
こんちわ!と元気よく挨拶する苺花に「おう、こんにちは」と一護は声をかけ、優しく頭を撫でた(『おじちゃん』呼びに軽く傷ついたのは内緒だ)。
「えへへ、ごめんねいちかちゃん」
苺花はそんな恥ずかしそうに頭をかく一勇の手を取り、「今日はチャンバラごっこできるよ!」と言ってこれまた全速力でどこかへ走っていった(一勇が引きずられていたように見えたのは気のせいだろうか)。
「……子どもってのは元気だなぁ」
やれやれ、と息を吐いてとりあえず一番隊の京楽のところへ顔を出すかと足を向けたところで、一護は気づいた。
(苺花が向かっていった方向って……十一番隊があるところだったような………)
「………………………………まあいいか」
しばらく考えたあと、悪いようにはしないだろうが早いとこ向かったほうがいいな、と思い至り瞬歩で一番隊へ向かった。
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