チンピラに絡まれて殴られてしまった。
「イテテ…うげ、血の味〜」
口の中に嫌な味が広がる。
「……なにしとんねんお前」
「ん?あ、ども」
そこらにあるものを使ってチンピラを撃退し、疲れてその場に座りこんでたら最近聞きなれた声が降ってきた
「怪我しとるんか」
目の前にしゃがみこんだ店主に顎を持たれて右に左にと無理やり顔を振られる。
「あ、あのー」
「黙っとれ」
いつもより近い距離にいるその人はいつもより険しい顔。
近くで見て分かったけど多分俺が思ってたよりも若い。
「……たいした怪我しとらんか。なんや心配して損したわ」
「心配してくれたんですか?嬉しいなぁ」
えへへ、と笑うと「アホか」と頭を叩かれてしまった。



「ところで今ふと気になったんですけど」
「なんやねん」
「おいくつなんですか?」
「…なんで今それが気になったんや」
「いや、なんとなく」
「……37や」
「うえっ!?マジっすか…マジっすか!?」
「なんやねんそんなに意外かシバくぞワレ」
「確かに意外だったけど!……まさかの同い年だとは」
「…………ホンマか」
「はい!へへ、なんか嬉しいなぁ」
「なんや凹むわ……」



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