財布の中に小銭しか入ってない。
なけなしのその金でたらふく食べられるいつもの屋台に直行した。
「こんちわ!いつものください!」
相変わらずの美味そうな匂いに思わず顔がにやける。
顔を上げた厳つい店主は「またお前か」と呆れた顔を見せた。
「お前いつも金ないな。ちゃんと仕事しとんのか?」
「してますよ!」
「ホンマか?」と意地悪な笑みを浮かべた店主に「ホントです!」と答えながら俺の記事が載った風俗雑誌を見せた。
「ほらこれ!俺が書いた記事ですよ!これあげます!」
「………いらんわ」
「えー!見てくださいよ!けっこう評判いいんですよ!」
しかめっ面の店主にしつこく雑誌を押し付けてたら「ええ加減にせえ!」と殴られた。




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