「きらいの反対なーんだ」
「お前は馬鹿だな」
サーの冷めた視線を浴びても私は凹まない。むしろその眼差しが私だけに注がれている事実に悦びすら感じてしまう。
「いじわるだなぁ。ちょっとくらい乗ってくれたっていいじゃんかー」
「うぜェ。用がないなら今すぐ消えろ。砂にされてェのか」
「そりゃあ、サーに触れてもらえて、尚且つサーの手で殺されるのかと思うと、これ以上の萌えはないんだけどね、ああんでも今回ばかりは譲れないなー!ねえねえ、質問に答えてくれたら何でも言う通りにするよ。いい子にします」
サーは面倒くさそうに眉をひそめてから、諦めたようにため息をついた。長い付き合いだからね。経験上、ちょっとやそっとじゃ私が引かないことくらい知っているのだ。ある意味知り尽くされてるって思うと堪らない。悶え死ねる。その時、サーとパチリと目があって、私の心臓はドクンと震えた。
「すき、だ」
ふ、と笑ったサーの顔はやっぱり極悪人だけど。予想通りの言葉だけど。それでも、ときめいてしまうから、やっぱり私は馬鹿なのよ。
/単細胞生物の遊び