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あの夜から、マルコは度々nameのことを待ち伏せて夕食に誘った。
しかし自分に対して緊張した様子でいるのは相変わらずだ。

そんなある日、甲板の様子を見に出た彼は洗濯物を干しているnameを見かけた。
それに姿は見えないがサッチの声もする。
マルコはそれを聞いてすぐ船内へ戻ろうとした。
ここのところサッチからの風当たりが強いので、あまり関わりたくないのだ。

「だからname、マルコはやめとけ」

しかしその言葉で船内へ向かっていた足をピタリと止めた。
盗み聞きは趣味ではないが、あからさまな自分に対する非難を聞かずにはいられない。

「あいつは星の数ほどの女を泣かせてきたんだぞ」

「だいぶ年が離れてますし、私そんな気は…」

「なに言ってんだ、お前に気あろうとなかろうと関係ねえ!それにマルコは老若男女問わず見境ねえぞ」

「まさかそんな…」

「いや、飢えた獣より質悪い生粋の女誑しだ」

「おい、そりゃ俺のことかい?」

こめかみにくっきりと青筋をつけたマルコは、二人の間に現れた。

「こいつの俺への態度は、お前の教育の賜物ってわけかよい、サッチ?」

「げっ、マルコ!」

「こいつの言うことは嘘だよい、わかったかい?」

「半分は事実だろ!」

「うるせえ黙れ」

「…(口調違う!)」

「わかったかよい」

「は、はい」

この時マルコの背に般若が見えたと、後に名前は語った。

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