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サッチは厨房で重く溜め息を吐いた。
視線の先には向かい合って食事をとるマルコとnameがいる。
うなだれるサッチを見て、片付けなどのために厨房に居た他の者たちはこそこそと噂していた。

「サッチ隊長、かなりきてますね」

「そりゃそうだ、nameのこと一番可愛がってきたからな」

「でもエース隊長やなんかと一緒に居ても平気なのに、どうしてマルコ隊長だとこうなんだ?」

「女の感もあれば、男の感もあるだろ」

「なんだそりゃ」

「まあ、初めて彼氏を連れてこられた父親ってとこだな」

「それはなんかわかる!」

耐えきれずに吹き出した彼等は、ギロリと振り返ったサッチに制裁を受けるのだった。





ドンガラガシャン、と音をたてる厨房が気になって仕方がない名前は食事中にもかかわらず落ち着きがなかった。

「気にするだけ損だよい」

「でも…」

「それよりname、」

nameに声をかけるが、サッチが心配で気が気でないのか聞いていないようだ。
彼女は厨房の方ばかり見ていて、自分のほうへ伸びる手に気づいていない。

「あっ」

パッと明るくなった視界に思わず声をあげた。
マルコへ視線を移すと、少しムッとした表情の彼と目があう。
彼の手には先程までnameが被っていたチューリップ帽が握られていた。

「飯の時くらい帽子は取れよい、行儀悪い」

「…はい」

nameは帽子がなくなり顔が露わになったために余計落ち着かない。
しかも幼稚なことで怒られたために恥ずかしくてたまらなかった。

「ほら、さっさと食っちまえ」

マルコがそう言うと慌ててnameは食べ始めた。

そんな様子に自然と頬が緩んでしまっていることに、彼は気づかない。

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